生まれ堕ちた悪魔の子
「よやーっ!! よやーっ!!」
その日、地獄を象徴するかのような産声が分娩室に響き渡った……。
「元気な男の子ですよ。」
まだ若い助産婦が臍帯を切り後ろに優しく微笑んだ。
「悪魔だ、悪魔の子だ!!!!!!」
傍で産声を聞いていた男が喚き叫ぶ。
そのまま頭を抱え、ブツブツ独り言を言い始めた。
「お父さん、あなたのお子さんなんですよ……。」
助産婦の諭すような声も聞こえないかのように、
悪魔の子だ、これのせいであの人が死んだのだ、と狂気をはらんだ目で呟き続ける。
助産婦は、この男に赤子を育てることは出来そうにないだろうと考え、狂った男から赤子を引き取り、育てることにした。
その子の母親が死ぬ前に提案した"ネピリム"という名をつけて……。
そして、時は流れ……。
ねぴりむ「ひゃははは!砂ぁそびゎ本当に楽しぃなぁ!」
ぉれゎ、砂で作った山をけとばしながら言った。
ぇるばは「そぅだねー、一恒河沙ぐらぃぁれば砂の城とか作りほぅだぃだょ!」
砂の城が一恒河沙で作りほらしぃ。
恒河沙、ってなんだ?ってぉれが首をかしげたところに、
ぺきゅす「ごーがしゃってなーにー?」
ぉれの思ってることそのままの声がきこぇた。
ぇるばは「ガンジス川にぁるとっっっても多ぃ砂、らしぃょ。」
ねぴりむ「へー、でも川ん中だったら取りに行くのめんどぃな。」
ぇるばは、ぺきゅす「それな」
じこしょぅかぃがまだだった!!
ぉくれてごめん!!
ぉれゎ、ねぴりむ・きゅびっと!!
バリバリげんぇきのょぅちぇんの年長さんだ!!!!!
ぉとぅさんゎぃなぃけど、ぉかぁさんはぃる!!!
せけんでゎこれをかたぉゃとか言うらしぃ!
で、さっきぉれと話してたのが
ともだちの
ぇるばは、ぺきゅす!!
ぇるばはゎとってもものしり!
さっきも恒河沙にっぃてぉれたちにぉしぇてくれた。
ぇるばはが言うにゎ、「ふだんから本をたくさん読んでぃるから。」らしぃ!
ぺきゅすはのんびりゃさんだ!
でもぉれたちにがんばってぁゎせてくれる、イイゃっだ!
山を作ってゎこゎす、のくり返しにぁきたぉれゎ、ぁたらしぃぁそびをてぃぁんした。
ねぴりむ「っぎゎきょぅ力して城を作ろぅ!」
ぇるばは「さんせぃ!」
ぺきゅす「ァルカリせー!!」
ぉれたちゎまず土だぃを作った。
それから、細かぃところを作ってぃく。
その作ぎょぅのと中で、ぺきゅすが言った。
ぺきゅす「そぅぃぇば、ねぴりむくんとねぴりむくんのぉかーさんって、ぁんまりにてなぃょねー。。。」
ぇるばは「ぉとぅさんににたんじゃなぃかな?」
ねぴりむ「ちがぅ。。。」
それゎぜったぃにちがぅとぉれの直かんがだん言してぃる。
一体なぜだ?ぉれゎちちぉゃのかぉなんて知らなぃはずなのに。
ぇるばは「じゃぁ、どぅしてかねぴりむのぉかぁさんにきぃてみよぅ!」
ぺきゅす「そーだねーっ!ねぴりむくん、どーかな?」
ねぴりむ「ぁぁ、そぅだな。。。そぅしょぅ。」
ぺきゅす「ねぴりむくん、へんだょ?だぃじょーぶー?」
ねぴりむ「だぃじょぅぶ、城をかんせぃさせてからききにぃこぅ。」
ぉれたちゎ城作りをさぃかぃした。
でも、さっき頭によぎったことが気になって作ぎょぅにしゅぅ中できなぃ。。。
むりゃりにでもぃしきをそらして城を作る。
なんだか、この気もちにぉぼぇがぁるよぅな気がする。
気のせぃ、かな。。。?
しばらくして、見ごとな城がかんせぃした。
ぺきゅす「ぃぃのができたねー!こゎすのがもったぃなぃょ!」
ぇるばは「最高傑作!」
ねぴりむ「ぅん、いい出来だね。」
ぺきゅす「ねぴりむくん、ゃっぱりへんだょ。どーしたの?」
ねぴりむ「ぃゃ、なんでもなぃ。。。早くぉかぁさんに会ぃに行こぅ。」
ぉれゎはかぃしょうどぅにかられ、城を思いっきりけった。
城はもとの砂場にもどり、ぇるばはとぺきゅすはぉれの行動にぉどろぃたょぅだった。
ねぴりむ「行こぅ。ぉれのぉかぁさんのもとへ。」
ぇるばは・ぺきゅす「ぅ、ぅん。。。」
ねぴりむ「ぉかぁさん、ぉれのぉとぅさんってだれ?」
友達をっれて家に帰ったぉれゎ、家にぃたぉかぁさんに尋ねた。
ぉかぁさん「シェムベルク・エグリーって人。生まれたぁなたを見て発狂して、ぁなたを残して病院を出て行ったまま戻らなかったわ。」
ぇるばは「その人とゎりこんしたんですか?」
ぉかぁさん「えっ?」
ぉかぁさんゎ考えこんでしまった。
それにしても、今の話には聞き覚えがある。
どこで聞いたんだろう。
ねぴりむ「ぉとぅさんって、ぉれに似てる?」
ぉかぁさん「ぃぃぇ、似てなぃわ。」
ぺきゅす「でも、ぉかーさんとも似てなぃよね。」
ぇるばは「隔世遺伝かな?」
ねぴりむ「……」
ぉれのぉかぁさんは、まさか。
ぉかぁさん「そのどちらでもなぃの。」
まさか。
ぉかぁさん「ねぴりむの本当のぉ母さんゎもう死んでいるの。私ゎ育ての親。」
まさかそんな!
ぺきゅす「どーぃぅこと?」
ぉかぁさん「ねぴりむを生んだ時に死んでしまったの。だからねぴりむのぉ父さんは発狂して出て行った。それで私がねぴりむを引き取ったのよ。」
ぇるばは「そぅなんだ。。。」
ねぴりむ「知っている……。」
夥しい量の記憶が俺の中に流れ込む。
その瞬間、今まで俺が抱いていた疑問が全て解決した。
既視感を感じていたのは、すでにそれを体験していたからなのだ!
ぺきゅす「どぅしたの、ねぴりむ?」
ねぴりむ「知ってるよ、全て!
そうだ、俺は父さんに会いに行ったんだ、母さんに聞いて……、それで会いに言ったらあの男はすでに別の家庭を持っていた!俺より小さい子供もいたんだ!」
ぇるばは「年中さん?」
ねぴりむ「いや違う!9歳ぐらいだった……。」
ぺきゅす「9歳って、年上だよね?」
俺はハッとして自分の姿を見た。スモックを着た幼稚園児だ!
ねぴりむ「俺は何故幼稚園児の頃の姿なんだ?俺は16歳の高校生のはずなのに……。
まあいい!俺は父さんの妻に自分のことを説明したんだ。彼女は父さんにそれを伝えた。そうしたら奴はバットを持って出てきたんだ。俺はすぐさま殴られ気を失った。そして気が付いたらここに、幼稚園児の姿で、精神まで退行していた!」
「ようやく気が付いたわね。」
知らない人の声が聞こえる。ふと見ると、周りには何もなく、ただ白い空間があった。
「貴方は今昏睡状態に陥っているの。私の夫が貴方を殴った、そのせいで……。」
「まさか、貴方は。」
「貴方はもうすぐ目覚める。その前に、せめて貴方に会いたかった。私の愛しい子よ。」
「母さん……。」
母さんのすすり泣く声が聞こえる。
「さよなら、ネピリム……貴方の人生に幸あらんことを……。」
目の前には白い天井が広がっていた。
「あっ! 気が付いた!」
誰かが叫ぶとそのまま走っていき、皆を呼んできた。
女の人が涙を流している。育ててくれた母さんだ。
「もー、ネピリム! 心配したんだよぉ?」
穏やかな声が聞こえる。ペキュスだ。
「一先ず安心だな」
エルバハも安心したような顔をしている。
「すみません、父さんがあなたを殴ってしまって……。」
9歳位の少年が俺を申し訳なさそうに見ている。異母弟のデウス・エグリーだ。
「いや、別にいい。恨んでいる相手がいきなり現れたら殴りたくもなるだろうしな……。」