幽霊の木
山瀬夕陽は地面から生えている幽霊の木を見ていた。
すると、突然幽霊が飛び出してきて、話しかけてきた。
「やあ、ずっとじろじろ見ているようだが、どうしたんだい?」
突然話しかけてきたのに驚き、思わず山瀬夕陽は幽霊にチョップをした。
「ひゃーっ、何たってチョップしたんだい?当たりやしないのにさ!」
攻撃しても当たらないと分かった山瀬夕陽はひとまず幽霊に話しかけることにした。
「幽霊、何故お前はここにいるんだ?成仏しろ!」
幽霊は困惑した。
「成仏したくてもできないんだよねー、だって幽霊になってから何もたべてないんだもん。」
山瀬夕陽は幽霊が食事をするものか、どうせ成仏したくないがための言い訳だろうと思いつつも食べたいもののリクエストを聞いた。
「一体何が食べたい。可能ならば持ってきてやろう。」
すると幽霊は考え込んだまま何も喋らなくなった。
「早くしろ。」
「だって、食べたいものが多すぎて決められないよ。もう少し待ってね」
「待てない。リコリス菓子を持ってくる。」
そういって山瀬夕陽は家へまだ封を開けてないリコリス菓子を取りに行った。
しばらくして、山瀬夕陽は不安気な顔をした幽霊の前へ来た。
そして、リコリス菓子の封を開け、幽霊の口へ突っ込んだ。
「うぐっ!う…変な味!!まずい!!!」
「黙って食え、それとそれは風変わりな味だがまずくはない。」
あまりの奇妙な味に耐え切れなくなり、幽霊は呆気なく成仏した。
「結構これは量があるのに、一つしか食べなかったな。まあいい、明日の菓子パーティーに持参するか。」
翌日、その奇妙な菓子は様々な人に食べられたが、一個全て食べきった者は少なかった。
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-後書き-
主人公が結構嫌な奴ですね。
ちなみに、リコリス菓子は、タイヤグミやサルミアッキなどのことです。
人を選ぶお菓子の上に、(味的に)一人で食べるにはやや多いので、食べないことをお勧めします。
幽霊はうっとうしいやつを意識しました。