幽霊のオフ会
山瀬夕陽は幽霊がでるという噂の廃墟の前にやってきたが、いざ入るとなると足がすくみ、中々入れずにいた。
「どうしたの。ここはこれから幽霊がオフ会するから入っちゃダメだよ。」
という声が突然聞こえたので、山瀬夕陽は驚き後ろを振り返った。
そこには不透明度が50くらいの透けた青年が立ちこちらを見ていた。
「突然ごめんね。前に立ってるものだから入ろうとしているのかと思って。僕はOn-Ryo。今オフ会に行こうとしているところなんだ。」
と青年、On-Ryoは続けた。
それを聞き、山瀬夕陽は、
「そう、私はここを探索しに来たのだ。だが恥ずかしながら足がここから進まない、オフ会と言ったな、On-Ryoよ。私はその様子が見たい。私もお前についていっていいか。」
と自分の状況を話し、好奇心に駆られてオフ会へ行こうとしていた。
「オフ会は幽霊しか参加できないんだ、ごめんね。でもその首から下げてるカメラで写真を撮ってくることならできるよ。」On-Ryoは残念そうにそう告げた。
「なら写真を撮ってもらいたい。明日の朝に私は再びここへ来る。その時渡してくれ。」そう言うと山瀬夕陽はOn-Ryoにカメラを渡しその場を立ち去った。
翌日、例の廃墟でOn-Ryoからカメラを受け取った山瀬夕陽は、早速撮られた写真を現像した。
写真にはボロボロの背景とは対象的に楽しそうに話す幽霊たちが写っていた。
その写真を見て山瀬夕陽は、
「成仏しろよ」と感じた。
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-後書き-
On-Ryo(怨霊)なのにZen-Ryo(善良)というオチ
On-Ryoの本名は緋桜良
主人公の口調は失楽園に影響を受けました。
幽霊でも人と一緒なら廃墟も怖くないという謎の考えを持つ主人公